8・文章題…集合・ベン図・約数どうしの関係
・6・集合算_その4
・その4_約数と集合…6年
約数どうしの関係というのは、たとえば、「3の約数なら必ず6の約数になる」か、それとも「6の約数なら必ず3の約数になる」か、いずれが正しいかなんてことを考える。
倍数どうしの関係とちょうど逆になることを考えよう。
・その4_約数と集合…6年
「倍数と集合」の次は「約数と集合」と続きますが、これにはわけがあります。まあ、これは後で図(ベン図)を見ていただいて、倍数の場合とのちがいを理解してください。
次のようなことを考えてみましょう。
・12の約数…1,2,3,4,6,12
・24の約数…1,2,3,4,6,8,12,24
やはり、上の12の約数と24の約数に登場する数を見比べてください。
24の約数の中に12の約数があり、12の約数はすべて24の約数の中にあります。
これも倍数の時と同じように言い換えると、
12の約数はすべて24の約数だが、24の約数はすべて12の約数であるとは言えないということです。
倍数の時と同じように、1〜24の整数を12の約数と24の約数でグループ分けしたものを図で表すと、次のようになります。
これはよくまちがえるというか、区別して理解しにくいというケースもあるかと思いますので、1つだけ、倍数と約数の集合を考えた場合の注意点を挙げておきましょう。
たとえば、「2の倍数と4の倍数」の集合の関係と、「2のと4の約数」の集合の関係を考えた場合、
「倍数」は2より大きい4の倍数の集合が2の倍数の集合の中に入る(ふくまれる)が、「約数」は、2より大きい4の約数の集合が2の約数の集合を中に入れている(ふくむ)ということで、ちょうど、数の大小が「倍数」と「約数」で逆の関係だということですね。
簡単に言うと、「4の倍数は必ず2の倍数である」。「4の約数は2の約数であるとは限らない(2の約数は必ず4の約数である)」ということですね。
また、「24の倍数は必ず12の倍数である」、「12の約数は必ず24の約数である」ということにもなります。
こういった考え方は、ある条件にあてはまる倍数や約数の個数を計算する時だけでなく、図形の性質を考える場合(特に図形の証明問題)や、式の証明(高校数学でどっと難しくなります)、必要・十分条件(これも小中学生の段階ではあまり縁がないかもしれませんね)などで大切です。
こういった図をもとに、考える習慣をつけておくというのも1つの手かもしれませんね。
・例題:その4_約数と集合
次の□にあてはまる数を求めなさい。
(1) 1から100の整数のうち、5の倍数でもあり10の倍数でもある整数は□個あります。
(2) 32の約数でもあり16の約数でもある整数は□個あります。
(3) 42の約数のうち、21の約数でない整数は□個あります。
分からなければ、自分で図をかいて考えてみてくださいね。
約数の個数だけを求めるのは計算でも可能ですが、ここでは触れません。
(1) 10の倍数は必ず5の倍数であるから、1から100までに10の倍数が何個かを考えればよい。
100÷5=20で、20個。
(2) 32の約数が16の約数であるとは限らないが、16の約数は必ず32の約数であることを考える。
16の約数…1,2,4,8,16。5個。
(3) 42の約数の中から21の約数を取り去った個数。
42の約数…1,2,3,6,7,14,21,42の8個。
21の約数…1,3,7,21の4個。
8−4=4で、4個。
■練習問題 ■ ・その4_約数と集合 ・【答え】
次の□にあてはまる数を求めなさい。
(1) 1から200の整数のうち、36の倍数でもあり18の倍数でもある整数は□個あります。
(2) 36の約数でもあり18の約数でもある整数は□個あります。
(3) 36の約数のうち、18の約数でない整数は□個あります。
■練習問題 ■ ・その4_約数と集合・ 【答え】
(1)5 (2)6 (3)3